イギリス英語リスニング攻略法_イギリス英語の特性
IELTSのリスニングで苦戦していませんか?
「単語は知っているのに音が聞き取れない」「ネイティブが早すぎてついていけない」
そんな悩みを抱える方の多くは、実は イギリス英語特有の音のルール に慣れていないだけです。
この動画では
IELTSで必ず役立つ「イギリス英語リスニングの発音ルール10選」
をまとめました。
1. /t/ がサイレント (声門閉鎖音)になる
ロンドンやカジュアルな会話(コックニー英語など)では、/t/ が 声門閉鎖音 [ʔ] に置き換わることが多いです。
| パターン | 例文(英) | 和訳 | ポイント |
|---|---|---|---|
| /t/ → [×] | Water → Wa×er | 水 | 母音に挟まれた /t/ が声門閉鎖音に変化 |
| /t/ → [×] | Better → Be×er | より良い | イギリス英語で頻出 |
| /t/ → [×] | Get it → Ge×it | それを手に入れる | 文中でも起こる
|
補足 🇬🇧 イギリス英語での /t/ の発音傾向
イギリス英語(特にRP=Received Pronunciation、いわゆる「BBC英語」)では、
基本的に /t/ をはっきり発音する傾向 があります。
例:
better → /ˈbet.ər/(「ベター」と明確に t を発音)
water → /ˈwɔː.tər/(/t/ が弱めだけど発音される)
👉 IELTSリスニングは「標準RP」をベースにしているので、基本は /t/ を発音します。
しかし、Part 1の日常会話ではサイレント [t] が混じることもあるので両方に慣れておきましょう
2. “Linking R”
意味:単語の語尾にある r が、次の単語が母音で始まるときにだけ発音される現象。
通常:イギリス英語は「語尾の r を発音しない(non-rhotic)」ので消える。
例
🇬🇧 harder → ˈhɑːdə HAR-duh (ハーダ)
アメリカ英語
🇺🇸 harder → ˈhɑrdər HAR-duhr (ハーダーァ)
しかし:母音と母音が続くと、発音がつながるように r が復活する。
📌 例文
harder and harder → ha-r-and orde(ハーダーラ・ン・ハーダ)
four apples → four-r-apples(フォーラッポーズ)
*four単体の発音→ fɔː
👉 「あるはずの r が“よみがえる”」イメージ。
IntsusiveRの場合の発音→ fɔːr
3. Intrusive R
意味:本来スペルに r がないのに、母音と母音が続くと 勝手に r が入り込む(intrusive)現象。
理由:発音をスムーズにつなげるために “r” を挿入する。
イギリス英語特有で、アメリカ英語にはほぼない。
📌 例文
the idea of it → the idear-of it(ジ・アイディアラヴィッ)
*idea単体の発音→ aɪˈdɪə
Australia and England → Australia-r-and England(オウストゥレイリァ・ラン・イングランドゥ)
👉 「ないはずの r が“忍び込む”」イメージ。
4. TRAP–BATH の母音差(/æ/ → /ɑː/)
🔹 TRAP–BATH 母音差とは?
アメリカ英語:æ(カタカナで「あ」と「え」の間の短い音)で発音
→ bath = /bæθ/
イギリス英語(南部標準発音 Received Pronunciation, RP):ɑː(長く低い「あー」)に変化
→ bath = /bɑːθ/
📌 この違いが起こる単語グループを BATH words と呼びます。
例:bath, class, after, ask, can’t など。
👉 日本人はアメリカ発音で学んでいることが多いので、イギリス英語の /ɑː/ に耳が慣れていないと、試験中に聞き逃すことが多い。
| 単語 | アメリカ英語 (/æ/) | イギリス英語 (/ɑː/) | 和訳 | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| bath | /bæθ/(バス) | /bɑːθ/(バーθ) | 風呂 | 短い/æ/ vs 長い/ɑː/ |
| class | /klæs/(クラス) | /klɑːs/(クラース) | 授業 | RPは「クラース」に近い |
| after | /ˈæftər/(アフター) | /ˈɑːftə/(アーフタ) | ~の後 | /r/も弱くなる |
| can’t | /kænt/(キャント) | /kɑːnt/(カント) | ~できない | 特にIELTS頻出 |
5. PALM / ɑː の英米の違い
1. PALM (/ɑː/)
単語例:father, park, start
イギリス英語(RP)→ /ɑː/(パーク=短め)
アメリカ英語(GA)→ /ɑː/(パーク=少し強調、しかも r を発音)
👉 PALMの発音は英米でほぼ同じ。違いは r を言うか言わないかだけ。
| 単語 | イギリス英語 | アメリカ英語 | ポイント |
|---|---|---|---|
| father | /ˈfɑːðə/(ファーザ) | /ˈfɑːðɚ/(ファーザー) | PALM → 同じ音。米は r を発音 |
| park | /pɑːk/ | /pɑːrk/ | PALM → 米は r を発音 |
6. LOT (/ɒ/)の英米の違い
イギリス英語特有の「短くて後ろ寄りのオ音」。
→ 例:not, got, coffee, off
イギリス英語(RP)→ /ɒ/(オに近い音)
アメリカ英語(GA)→ /ɑː/(アー寄りの音)
👉 アメリカは LOT を PALM に吸収してしまった ので、「オ」が「アー」っぽく聞こえる。
| 単語 | イギリス英語 | アメリカ英語 | ポイント |
|---|
| not | /nɒt/(ノット) | /nɑːt/(ナート) | LOT → 米は PALMに変化 |
| coffee | /ˈkɒfi/(コフィ) | /ˈkɑːfi/(カーフィ) | LOT → 米は PALMに変化 |
7. /juː/ の保持(yod-retention)
概念
イギリス英語では、 「n, t, d, s」+「u」 の組み合わせで /juː/ をしっかり発音する傾向があります。
一方、アメリカ英語ではこの /j/ が脱落して /uː/ になることが多いです。
👉 例:
イギリス英語: new → njuː
アメリカ英語: new → nuː
| 単語 | イギリス英語 (RP) | アメリカ英語 (GA) | 意味 |
|---|---|---|---|
| new | njuː | nuː | 新しい |
| student | ˈstjuːdnt | ˈstuːdənt | 学生 |
| tune | tjuːn | tuːn | 曲 |
| Tuesday | ˈtjuːzdeɪ | ˈtuːzdeɪ | 火曜日 |
| suit | sjuːt | suːt | スーツ |
💡ポイント:
イギリス英語では /j/ が残るので「ニュウ」「スチューデント」「チューズデイ」と日本語的に近い。
アメリカ英語は「ヌー」「スツーデント」「トゥーズデイ」に聞こえる。
8. “H” の脱落(口語)
概念
イギリス英語(特に口語・日常会話)では、 語頭の「h」が弱くなったり、完全に落ちる ことがあります。
👉 アメリカ英語では比較的ハッキリ発音することが多いですが、カジュアルな会話では同じように弱くなる場合もあります。
him → ’im, her → ’er
| 単語 | 通常の発音 | H脱落後の発音 | 意味 |
|---|---|---|---|
| him | hɪm | ɪm | 彼を |
| her | hɜː(r) | ə(r) | 彼女を |
| have | hæv | æv | 持つ |
| has | hæz | æz | ~している |
| had | hæd | æd | ~した |
| his | hɪz | ɪz | 彼の |
9. イントネーションと文ストレス
内容語(content words)
名詞・動詞・形容詞・副詞など → 強く、はっきり発音される。機能語(function words)
冠詞・前置詞・代名詞・助動詞など → 弱く、速く、時にほぼ聞こえない。イントネーション
イギリス英語は 文末で下がる(falling intonation) が基本。
→ 落ち着いた印象を与え、情報を終わらせる役割。
文ストレスの例
| 文 | 内容語(強く) | 機能語(弱く) | 全体のリズム |
|---|---|---|---|
| I went to the park yesterday. | went / park / yesterday | I / to / the | WENT – PARK – YESTERDAY が強く聞こえる |
| She can speak English very well. | speak / English / very / well | She / can | SPEAK – ENGLISH – WELL が強調される |
Falling Intonation(語尾下げ)
| 文のタイプ | イントネーション | 例文 | 聞こえ方 |
|---|---|---|---|
| 平叙文(情報伝達) | ↓ 下がる | This is my book. | 落ち着いた調子 |
| Wh疑問文(情報質問) | ↓ 下がる | Where are you going? | はっきり尋ねる |
| Yes/No疑問文 | ↑ 上がる | Do you like it? | 確認を求める |
| 列挙・中間情報 | → 維持 or ↑ | I bought apples, bananas, and… | まだ続く感じ |
練習方法
内容語だけ強く読む練習:
I WENT – PARK – YESTERDAY
SHE – SPEAK – ENGLISH – WELL
Falling Intonationの練習:
「This is my book. ↓」
「Where are you going? ↓」
💡ポイント:
リスニング → 内容語をキャッチできれば大意は取れる。
スピーキング → 内容語をしっかり強調するとネイティブっぽい自然な発音になる。
IELTS試験官は「ストレスとイントネーションの自然さ」を評価基準に含めている。
10. 数・時刻・単位の言い方
数字・0の言い方
| 数字 | イギリス英語の言い方 | 備考 |
|---|---|---|
| 0 | nought /nɔːt/ | 数学・理系でよく使う |
| 0 | oh /əʊ/ | 電話番号や小数点で多い |
| 0 | nil | スポーツのスコア(例:two–nil = 2–0) |
| 0 | zero | 正式な言い方、一般的に理解される |
👉 IELTSでは nought / oh を押さえておくのが必須。
時刻の言い方(イギリス式)
| 時刻(24h) | イギリス式の言い方 | 意味 |
|---|---|---|
| 3:30 | half three | アメリカ英語の “three thirty” に相当 |
| 4:15 | quarter past four | 4時を15分過ぎた |
| 5:45 | quarter to six | 6時の15分前 |
| 2:05 | five past two | 2時5分 |
| 11:55 | five to twelve | 12時の5分前 |
👉 アメリカ式と混同しやすいので要注意。
単位の言い方
| 単位 | イギリス英語の言い方 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 kg | one kilo / one kilogram | kilo が口語で多い |
| 2 m | two metres | アメリカ英語は meters |
| £5 | five pounds | 通貨記号はそのまま読み上げない |
| 3°C | three degrees Celsius | temperature questions で頻出 |
練習
時間聞き取り
half three → 3:30
quarter past seven → 7:15
five to nine → 8:55
数字聞き分け
0.04 → nought point oh four
2.05 → two point oh five
単位読み上げ
1.5 kilos
five pounds fifty
three degrees below zero
💡 ポイント
IELTSの地図問題・表問題 では「0の言い方」「half three」などが混ざる。
TOEICと違って口語的表現が多いので、アメリカ英語式だけ覚えていると混乱しやすい。
リスニングでは「数字を聞き取れた=得点直結」なので、ここは丸暗記推奨。
まとめ
IELTSのリスニングは「単語力」だけでは伸びません。
音のルールに慣れることがスコアアップの最短ルートです。
今回紹介した9つのポイントを意識して練習すれば、
ネイティブのスピードについていける
IELTSのリスニングが聞きやすくなる
留学先の講義や会話にも余裕でついていける
という変化を感じられます。

